寄稿 黒田 実さん(9期)松溪中剣道部の想い出

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松溪中剣道部の想い出 9期(S34年)卒 黒田 実

私が在学中は剣道部はありませんでした。私の長男が松溪中に昭和59年に入学し、剣道部に入部しました。顧問は、河内孝夫先生で、私も身体があいているときは、部活に参加しました。当時の2,3年生の部員は6~7人だったと思います。6名の剣道経験者と数名の初心者の一年生部員が入り、先輩を含め総勢20人くらいになり、なんとか格好がつく部になりました。私が40才の時です。

 息子が2年生になってから、河内先生が突然、これからは全国大会をめざす、とおっしゃって、稽古の内容が変わりました。全国大会に出場できるのは、東京都で一校だけですから大変です。放課後の週3回の稽古のほかに、平日の朝は毎日朝稽古を行い、それに加え土日は遠征試合に出向きましたので、ほぼ毎日竹刀を握ることとなり、私も朝稽古にでて出勤した想い出が何度かありました。掛かり稽古という稽古があります。元太刀に対し掛手が次々に打ち掛かる激しい稽古です。これが延々と続き、打突時の面布団と竹刀の摩擦できな臭く感じた思いでがあります。

 そんなことで、杉並区の大会や、中野区・練馬区・杉並区合同の第三学区大会は毎回優勝、2年生秋の新人戦では、東京都ベスト8に進み、勝者・本数とも同じで決着がつかず、代表戦にもつれこんだ末、谷中中学に惜敗しました。
しかし、3年後、平成元年に女子が都大会で優勝し、広島で行われた全国大会に出場しました。この時は、顧問は船引先生で高野謙一先生が外部コーチとして指導に当たりました。高野先生は、中年以降に剣道を始められた方ですから頭が下がります。河内先生、船引先生、高野先生と繋ぎ、昭和60年~平成14年くらいまで、松溪中は都内でも有数な剣道の強豪校であり、又、文武両道を実践した先輩達でもありました。今も20代後半~40代の松溪中のOBの有能な剣士が、学校や道場で自分の稽古と後進の指導に当たっている姿に出会います。現在の剣道部の目標は全国大会ではないかもしれませんが、現役の諸君には、そこを目指した歴史があることを是非知っておいて欲しいと思います。
 
 この投稿は、私の記憶のみに基づいていますので、当時の関係者がお読みになってお気づきの点がございましたら、是非ご指摘いただきたくお願いします。写真は、昭和63年に撮りました。高野先生、河内先生、黒田です。女子の写真は全国大会出場選手の方々です。
[備考」本稿は同窓会ニュース第3号、2017年春号に掲載しました。
黒田実さん(右端)高野先生、河内先生、
平成元年東京都大会優勝チーム
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